2009年03月22日

お奨めミステリー小説 (247) 『相棒』 真保裕一

寡作な作者の特徴は生真面目、手抜きなし、そして熱い人情か。短編集『防壁』に収められた作品は自らの命をかけて人命救助に挑む男たちが描かれるが、ここでもそのスタイルは健在だ。

警察のSP、海上保安庁の潜水士、自衛隊の爆弾処理班、消防士、と危険と隣り合わせという身からか、主人公たちは私生活で羽目を外しやすく、女性関係に問題ありというところが共通している。

こうした描き方はいささかステロタイプといえようが、緊張をはらんだ仕事の描写から妙に納得させられてしまう。

『相棒』 のタイトルになっている '相棒(バディ)' とは潜水救助でチームを組むパートナーのことだ。

お互いの信頼関係あってこその“相棒”だが、時にはシビアな選択を迫られる。
たとえば沈没船の中で救助対象者を見つけた際、余分な酸素ボンべを持っていなかったら、どうするか?
対象者は弱っていて一人では浮上できない。助けながら二人で上がるだけの酸素は残されていないのだ。

実は私も“潜水士”なのだが、救助のため余分な酸素ボンベを背負って潜るなど考えるだけで怖ろしい。
もちろん炎に飛び込む消防士や爆弾処理班も勇気がいるが、海の中ほど怖ろしい場所はないのだ。
なぜなら海中の人命救助とは自然に逆らうことなのだから。
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[あらすじ]

長瀬は経験を積んだ潜水士で特殊救難救助隊に所属している。3年前に由美という女と知り合い付き合ってきたが、私生活では海に足が向かず「いつか一緒に潜る」という約束を果たせずにいた。

その間に長瀬は資産家の娘、亜希子と知り合い結婚の約束までする。
亜希子は危険な救助隊から足を洗ってインストラクタになればと言う。

由美との約束を最後に果たそうと一緒に海に潜った長瀬だが、その前で由美は自殺を図る。かろうじて命を取りとめた由美だが、それ以来の長瀬は集中力を欠き、訓練でも若い相棒(バディ)である宮崎になじられる。

不安定な状態の長瀬たちに救難指令が出た。
三浦沖で船が沈没し乗組員が取り残されている可能性があるという。長
瀬と宮崎は沈没船内で生きている乗組員を発見し救助に移るが、不運もあって二人は大きなミスをしてしまう。

宮崎と救助対象者のどちらを選ぶか?

長瀬は究極的な選択を迫られる。


防壁 (講談社文庫)
講談社
真保 裕一


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posted by j-sakanoue at 00:05| Comment(0) | TrackBack(1) | FY2004-FY2021 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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