これでただの「羽生九段」になったことになる。
平成における将棋界最後の事件といっていいだろう。
第7局のネット中継を 16:00ごろから観ていたが、すでに大差でいつ投げてもおかしくはない形勢だった。
羽生はそれから3時間ほど粘って詰みまで指し投了。
羽生は30年近くタイトルを保持していたわけだが、当初は六段だった。
「羽生七段」とも「羽生八段」とも呼ばれたことが無いことに驚く。
私は羽生世代と谷川の真ん中に当たる。
しかし後から出てきた羽生世代が上位を食っていくのを見て、空恐ろしさを感じた。
一方で、20年以上前に「羽生名人に似ている」と言われ、密かに羽生流を真似していた。
(強者が勝つという法則を破るには至らず。。)
実に複雑な心境だが、勝負の世界の厳しさを思い知らされる。
いつかこの日は来ると思っていたが、羽生をもってしても 40代後半の壁は大きいかのか。
大山大名人も 40代後半で名人を失い二度と復位できず、米長も 50を前に名人を失った。
若手が台頭する今の将棋界で復位を目指すのは容易ではない。
羽生もここ2-3年の間に若者に次々とタイトルを剥がされ無冠になった。
それだけに、復活して通算100期を達成したら羽生の偉大さは後世に語り継がれるだろう。
一方で、公平なはずの勝負事で「羽生頑張れ!」というマスコミの論調はやり過ぎだ。
羽生の得意形から逃げずに見事に勝利した広瀬を讃えるべきだろう。
ラベル:日記