ペットといえば番犬を兼ねた犬が定番で「猫なんか嫌い」という人が珍しくなかった。
実際「化け猫映画」というジャンルがあったのだ。
そんな中で異色の映画『亡霊怪猫屋敷』を Amazon Prime で観た。
これがやけにアーティスティックで凝った映画なのだ。
導入部のスタッフ紹介は珍しく横書きで、書体もフランス映画のようにおしゃれだった。
現代篇は、渋いモノクロで小津映画のようなシーンもある。
主人公である医師夫妻のセリフは現代的で、今の時代からみても不自然さは感じない。
途中で江戸時代篇に飛ぶのだが、いきなり鮮やかなカラーシネスコープで驚かされる。
内容的には、ポーの『黒猫』がベースのようだ。
日本的封建制の理不尽さも描かれる。
当時の特撮も交え映像は凝っており、役者の動きもシャープ。
現代に戻ってくると、なぜ主人公一家が狙われたかが語られる。
江戸篇は陰惨な話だが、明るい終わり方をする。
ただの B級ホラーでなく、制作者のポリシーが感じられる映画といえる。
こんな古いマニアックな映画の予告編が Youtube で観られることには驚きだ。
しかし最近、Amazon で化け猫をはじめとするホラー映画をお薦めされるのには閉口している。
ラベル:映画・ドラマ